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抗がん薬について

抗がん薬の種類と副作用

 抗がん薬には「細胞障害性薬」と「分子標的薬」と大きく2種類に分類されます。細胞障害性薬は細胞分裂に障害を与えることで細胞を攻撃するはたらきがあるため、細胞分裂の盛んな正常細胞も障害を受けることになります。したがって細胞分裂が盛んな組織である、骨髄、消化管粘膜、口腔粘膜、毛根などが障害を受けやすく、骨髄抑制、嘔吐、下痢、口内炎、脱毛などの副作用が起きやすくなります。一方、分子標的薬はがん細胞の特異的なタンパク質を標的にするため、細胞障害性薬とは異なった特徴的な副作用がみられることがあります。
*副作用の発現には個人差があり、症状や程度、発現時期はさまざまです。必ずしも全ての症状がでるわけではありません。*

表1 抗がん薬の種類と特徴および主な副作用

主な副作用と症状

骨髄抑制
・白色血球減少:抵抗力が低下するため、感染症を発症する可能性が高くなります。
・赤色血球減少(貧血):酸素の運搬能が低下するため、めまい/ふらつきなど貧血の症状が現れます。
・血小板減少 :血液を固める働きが低下するため、出血し易くなります。

         

吐き気・嘔吐
気持ち悪くなったり吐いたりします。症状は患者さんによって様々で、投与期間中に軽い吐き気を感じるだけの方もいれば、投与終了後から24時間にわたり、嘔吐される方もいます。症状はその後数日間続くこともありますが、おおむね3~4日後に改善してきます。

口内炎
抗がん剤治療開始後3-5日頃から、口のなかがヒリヒリする症状が出てきます。

下痢
抗がん剤治療開始後に起こる下痢は、大きく2つに分かれます。1つは早発性下痢です。これは、抗がん剤治療を受けた当日に起こることが多いようです。一方、抗がん剤治療開始後数日から2週間頃までに起こる下痢を遅発性下痢と言います。

脱毛
脱毛は毛髪だけではなく、眉毛(まゆげ)、睫毛(まつげ)にも起きることがあります。
脱毛は、抗がん剤治療開始後14~21日頃より出始めます。症状の出方は、患者さんにより様々で、1~2ヵ月くらいですべて脱毛する患者さんもいます。個人差はありますが、回復は比較的早く、治療の全コース終了後、しばらくすると生え始め、約6ヵ月で回復します。

手足症候群
手や足にしびれ、ピリピリするような感覚の異常や、やけどした時のような痛みが起こります。このような感覚の異常は、手や足に見たところ変化がなくても起こることがあります。また、手足が全体的に赤くはれぼったくなったり、部分的に赤くはれたり、水ぶくれがでてきたりします。特にかかとや手の指先などの力がかかるところに症状がでやすいことが分かっています。

        

皮膚障害
ざ瘡用皮疹(ざそうようひしん):にきびのような発疹がでます。
爪囲炎(そういえん):爪の周囲に腫れや痛みがでて、さらに亀裂を生じ、できものが形成されます。
皮膚乾燥:皮膚ががさがさになったり、かゆみが出ます。

間質性肺炎
せき、息苦しい、発熱、胸が痛いなどの症状が現れます。

血栓症
血のかたまりで突然血管がつまることで起こります。手足のしびれ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、片方の足の急激な痛みや腫れなどの症状が現れます。