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活動内容

当施設は、九州地域におけるがん診療拠点施設であり、広い診療圏をもつ、いわゆる地方がんセンターの機能を担うものです。そのような施設の中にあって、臨床研究部は、施設内外のさまざまながん研究を推進、活性化する役割を担っています。

多地点カンファレンス


多地点メディカルカンファレンス

全国のがん診療拠点を結ぶテレビ会議ネットワークを利用して、多地点メディカルカンファレンスやメディカルオンコロジーカンファレンスが毎週行われており、本邦におけるがん診療、がん研究領域の最新情報の交換の場となっています。

親と子の「がんと遺伝子」夏の講習会

当院は、がんの専門施設、基幹施設として、地域の中心となって日々がん診療に携わっておりますが、がんへの理解を普及させることもその使命のひとつと考えています。ゲノム計画、クローン技術、遺伝子治療など、近年の生物学の進歩には社会の大きな関心が集まっています。がん研究においても、「遺伝子」をキー・ワードに、その最新の知見が注目を集めていますが、一般の方々には、「遺伝子」や「ゲノム」は、まだまだイメージしにくい、現実ばなれした存在ではないでしょうか。昨今、がんへの危機感の高まりとともに、市民公開講座などがさかんに開催されていますが、その話題はがん診療そのものが中心です。また、次世代の担い手である子供たちががんについて学ぶ場も見当たりません。がんはどのようにしてできるのか、またがん細胞はどのような生き物なのか、その根幹である遺伝子とゲノムにさかのぼって考えることも大切ではないでしょうか。また、子供たちが、がん細胞や遺伝子の実態であるDNAを実際に目で見、手で触れてみることも必要ではないでしょうか。当院は研究所を併設しており、長いがん研究の歴史をもちます。そこで2011年にはじめての取り組みとして、がんの専門病院ならではの、市民のための「がんと遺伝子」講習会を開催しましたところ、大変ご好評をいただきました。
大腸がん細胞
大腸がん細胞
がん細胞を観察する子供たち
がん細胞を観察する子供たち
 
昨年の第6回講習会は、8月6日(土)、7日(日)の2日間開催され、福岡県内から公募で選ばれた小学校4年生から中学校3年生までの8人の児童・生徒とその保護者、8組16人が九州がんセンター臨床研究センターに集いました。プログラムは、顕微鏡を用いたがん細胞(培養細胞)の観察からDNAの抽出実験、塩基配列解析までと、まさにがんの分子生物学入門編ともいえる本格的なものです。普段見ることのない、また手に触れることもない細胞やDNAを前に、会場の臨床研究センターには子供たちの歓声が響きました。メディアからの関心も高く、例年、新聞各紙より取材を受け、記事が掲載されています。がん専門病院のめずらしい取り組みとして、子供たちの科学への関心を刺激する試みとして、注目されているようです。

DNA が沈殿する瞬間
DNA が現れる瞬間

DNA 模型を前にして討論
DNA 模型を前にして討論
 
集合写真
 集合写真
 
※本ページに掲載した写真は2011 年の第1 回講習時に撮影されたものです。

腫瘍バンク

医療機関では、いろいろな診療過程を通じて、実にさまざまな生体試料が発生します。とくに組織や血液といった生体試料には、重要な遺伝情報やその発現情報が含まれており、これを活用することで、医学研究は多いに推進されます。このことは結果として、医療技術の進歩を通じて、社会・個人の福利につながることが期待されます。その意味においては、生体試料は提供者個人の所有物であると同時に、提供者個人から医療機関に付託された社会の共有財産と考えることができます。
 この観点に立って、診療過程で発生する生体試料をすぐさま医学研究に供せられるよう、試料を体系的に保管管理するバンキング・システムが医療機関には求められます。しかしながらこれまで、研究を目的とした生体試料の採取・蓄積・保管管理は、生体試料を必要とする研究者 (多くの場合医師)の個人的努力にまかされていました。昨今、医学研究においては、プライバシーの保護、「知る権利」の尊重といった倫理的配慮が強く求められるようになりました。多くの個人情報が伴い、また、診療に深く関わる情報をもたらす試料の保管管理には体系的な対応がもとめられています。

図1:腫瘍バンクのシステム
図1:腫瘍バンクのシステム
 

当院では、1997年より、研究を目的とした理想的な生体試料バンクの確立を目標に掲げ、臨床研究センターが中心となって、その運営に取り組んでまいりました。この「腫瘍バンク」は、診療過程で発生する生体試料を、提供者より同意を得て採取し、これを保管管理するだけではありません。個々の症例の診療情報と試料とを一体化管理することにより、検索機能が充実し、研究が飛躍的に促進されます(図1)。また、試料に伴う個人情報は複雑なコード化により厳重に管理されており、同時に、提供者個人への情報還元も可能となっています。

図2:組織サンプル採取症例の内訳
図2:組織サンプル採取症例の内訳
 

腫瘍バンクでは現在、診療過程、とくに外科手術により発生する組織試料を中心に、約7000例(平成27年3月31日現在)の試料を蓄積しています。対象疾患は、肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌、子宮癌など、主だった悪性疾患を網羅するだけでなく、骨軟部腫瘍など比較的稀な疾患の試料も含まれています(図2、3)。さらに、腫瘍バンクでは、これら組織試料から高分子の染色体DNAおよび高品質のtotal RNAを逐次抽出しており、さまざまな解析にすぐさま用いることができます。現在、このような規模、内容に匹敵する生体試料バンクは、国内には存在しないだけでなく、海外においても珍しいようです。

図3:組織サンプル採取症例数の推移
図3:組織サンプル採取症例数の推移
 

当院では、既に腫瘍バンクサンプルを用いて、さまざまな研究が始められています。また、腫瘍の診断に必要なDNAやRNAを提供するなど、臨床検査を支援するバックアップシステムとしても機能しています。現在、産学の多くの研究者からその有用性が注目されており、創薬につながる共同研究も生まれました。今後システムの一層の充実に努めてまいります。

連携研究ネットワーク

連携研究者・企業

施設外の研究者、企業とも活発な共同研究をおこなっています。
 
国立病院機構本部 (指定研究)

指定研究「I-IIIA期非小細胞肺癌完全切除症例を対象としたαGalCer-pulsed樹状細胞療法の無作為化第II相試験」(研究代表者:竹之山 光弘)

九州大学大学院薬学研究院 *

http://www.phar.kyushu-u.ac.jp/sougou/gaiyou_23.php

* 九州大学大学院薬学府との連携講座は下欄をご覧ください。

 
各研究室の連携研究者

  1. 腫瘍病理学研究室(Cancer Pathology Laboratory)
    九州大学大学院医学研究院基礎医学部門病態制御学講座形態機能病理学分野(小田義直教授)
    http://www.surgpath.med.kyushu-u.ac.jp/ap/

  2. 腫瘍遺伝学研究室(Cancer Genetics Laboratory)
    九州大学大学院医学研究院基礎放射線医学分野(中津可道准教授)
    https://biophys.wp.med.kyushu-u.ac.jp/

    福岡大学理学部化学科機能生物化学研究室(倉岡功教授)
    http://funcbio.com/

  3. 腫瘍分子生物学研究室(Cancer Molecular Biology Laboratory)
    福岡大学薬学部衛生化学(松末公彦准教授)
    http://www.pha.fukuoka-u.ac.jp/s_eisei.htm

 
この他、施設内外の多くの研究者個人を「外部連携研究者**」として迎え入れ、活発な共同研究を行っている。
** 外部連携研究の申請については、腫瘍遺伝学研究室 織田(ext 5016, soda@nk-cc.go.jp)までご連絡ください。

 

九州大学大学院連携講座

がん専門病院で学位をとりませんか!?
当院は九州大学薬学府と連携講座を運営しています。

当院では、九州大学大学院薬学府(http://www.phar.kyushu-u.ac.jp/sougou/gaiyou_23.php)との連携講座を設け、毎年大学院生を受け入れています。

臨床研究部センターの以下のラボが大学院生を受け入れます。修士課程(2年)、博士課程(3年)が設置されており、修了後は審査の後、九州大学薬学府から学位が授与されます。
当院はがん専門病院として、院内では多くの臨床研究をすすめています。分子生物学、生化学を用いた前臨床研究から、新薬の臨床試験まで、はばひろく現代のがん研究、がん医療が学べます。
とくに基礎科学系の学部教育、修士課程を修了している方は、本コースで学ぶことにより、応用科学系キャリアへの道も開けます。本コースの修了者の多くが、製薬企業、臨床検査企業に就職しています。

 

腫瘍遺伝学研究室 (室長: 織田 信弥)
https://www.ia-nkcc.jp/information/detail/144

がんゲノムの動態に着目することで、その特徴から、がんの病態にとどまらず治療への応答をも予測可能なバイオマーカー開発をすることを目標としている。具体的には、さまざまな遺伝子座にみられる変化(点突然変異、欠失、メチル化 etc.)をがんゲノムにおいて正確に観察すると同時に、その意義についても、他の研究室と連携して、生化学的、分子生物学的にアプローチしている。発がんのメカニズムについても、その基礎となるゲノム変化について研究をおこなっている。

腫瘍分子生物学研究室 (室長: 瀧口 総一)
https://www.ia-nkcc.jp/information/detail/144

DNAメチル化やヒストン修飾によるクロマチン高次構造制御は、遺伝子発現調節やゲノムの安定性と密接に関連している。これまで、クロマチン高次構造制御に関与する因子について、分子生物学的、細胞生物学的、あるいは発生工学的手法を用い、これらとがん化、あるいは老化との関連に着目して、研究を進めてきた。また、がんの転移についても、モデル動物を用いるなどして、転移の分子過程にアプローチしてきた。今後も、バイオマーカーや分子標的治療薬の開発に繋がる研究を目標としている。

腫瘍病理学研究室 (室長: 田口 健一)
https://www.ia-nkcc.jp/information/detail/144

発癌の各ステップを構成する分子異常を、pathwayごとに網羅的に整理し、病理形態学的特徴と関連づけ、癌の性格診断につなげ、ひいてはオーダーメイド医療を可能にする診断ガイドラインを作成することを目標としている。その過程で、診断および治療の指標となるバイオマーカーを同定し、新たな診断法を確立したい。また、このような目的から、免疫組織(細胞)化学の技術開発もおこなっている。

本講座によるこれまでの業績

Wakasa K et al.: Dynamic modulation of thymidylate synthase gene expression and fluorouracil sensitivity in human colorectal cancer cells. PLOS ONE 10(4): e0123076, 2015 doi:10.1371/journal.pone.0123076

Nakao S et al.: Efficient long DNA gap-filling in a mammalian cell-free system: A potential new in vitro DNA replication assay. Biochimie 95: 320-328, 2013

Chijiwa S et al.: Polymerization by DNA polymerase eta is blocked by cis-diamminedichloroplatinum(II) 1,3-d(GpTpG) cross-link: implications for cytotoxic effects in nucleotide excision repair-negative tumor cells. Carcinogenesis 31: 388-93 2010

Maruta S et al.: A role for leukemia inhibitory factor in melanoma-induced bone metastasis.Clin Exper Metast 26: 133-141, 2009.

Yaguchi M et al.: Identification and characterization of the variants of metastasis-associated protein 1 generated following alternative splicing.Biochim Biophys Acta 1723: 8-14, 2005.

Ishida S et al.: Sp family of transcription factors regulates human SHIP2 gene expression.Gene 348: 135-141, 2005.

Aramaki Y et al.: Direct interaction between metastasis-associated protein 1 and endophilin 3. FEBS Lett 579: 3731-3736, 2005.